2020.11.02 23:41「宗教国家アメリカの誕生」9 マサチューセッツ植民地(2)ロジャー・ウィリアムズ 注意しなければいけないのは、信仰の自由を求めてニューイングランドへ移住したウィンスロップらピューリタン(非分離派)たちは、あくまで自分たちの信仰の自由を求めていたのであって、他の人びとがそれぞれ自由な信仰や無信仰を実践する権利を保障しようとしたわけではなかった、ということ。イン...
2020.11.02 01:11「宗教国家アメリカの誕生」8 マサチューセッツ植民地(1)「丘の上の町」 プリマスに上陸したピルグリムたちは、当初苦難を経験したが、その後は先住民の援助を受け、翌年の秋にはようやくトウモロコシなどの収穫を得て、先住民とともに数日にわたる盛大な「感謝祭」を祝ったとされる。この逸話は、その後さまざまな脚色を経てアメリカ国家の神話的な創設物語へと発展してい...
2020.11.01 00:19「宗教国家アメリカの誕生」7 コロンブスからメイフラワー号(5)「ピルグリム・ファザーズ」② メイフラワー号に乗ってアメリカに渡った102人(「ピルグリム・ファーザーズ」と呼ばれる)全体がピューリタン(厳密にはセパラティスツ 「聖徒」saints)であるというイメージを持っている人が多いようだが、実はピューリタンでない人(「よそ者」strangers)が半分以上だった。...
2020.10.30 04:12「宗教国家アメリカの誕生」6 コロンブスからメイフラワー号(4)「ピルグリム・ファザーズ」① アメリカ合衆国がこれまでに受け入れた移民の数は世界のどの国よりも多く、合計5,000万人を超え、現在も年間70万人近くを受け入れているとされる。それは、多くの労働力を必要とするという経済的な理由ばかりではない。人類の避難所という自己イメージを持ち、政治的迫害から逃れてくる難民を...
2020.10.29 04:23「宗教国家アメリカの誕生」5 コロンブスからメイフラワー号(3)「ジェイムズタウン」 ジェイムズタウンは、入植後わずか半年余りで飢えとマラリアで半分以下に減少したが、ジョン・スミスの優れた指導と先住民(ポーハタン族)の協力があって生き延びることができた。そのためこの入植地は「恒久的植民地」と呼ばれ、ここにイギリス領北米植民地の歴史が始動する。1607年は、有名な...
2020.10.28 02:05「宗教国家アメリカの誕生」4 コロンブスからメイフラワー号(2)「ヴァージニア」「宗教国家アメリカの誕生」4 コロンブスからメイフラワー号(2)「ヴァージニア」 北アメリカで先住民が遭遇したヨーロッパ人は、スペインに始まり、17世紀に入ると、フランス、オランダ、イギリスの各国に及んだ。 スペインと同じカトリック国のフランスは、フランソワ1世の時代、カルロス1...
2020.10.26 23:45「宗教国家アメリカの誕生」3 コロンブスからメイフラワー号(1)コロンブス アメリカの歴史は、コロンブスがアメリカ大陸を「発見」した1492年に始まるわけではない。当時そこにはすでに南北あわせて5千万人とも言われる先住民(ネイティヴ・アメリカン)が住んでいた。そして、彼らも長い旅路の果てに、アメリカ大陸にたどり着いた人々。およそ20万年前にアフリカで誕...
2020.10.26 01:04「宗教国家アメリカの誕生」2 宗教色(2)「IN GOD WE TRUST」 「IN GOD WE TRUST」(「我々は神を信じる」)とは、アメリカ合衆国における公式な国家の標語である。この標語は、南北戦争で大きな役割を果たしたので、アメリカ合衆国の硬貨に大きく表記されるようになった。その経緯はこうだ。1861年11月13日、ポートランド・チェイス財務...
2020.10.25 01:51「宗教国家アメリカの誕生」1 宗教色(1)アメリカ大統領就任式 アメリカは宗教国家だ。しかし、「サウジアラビアは宗教国家だ」というのとは意味合いが異なる。サウジアラビアは、イスラム教ワッハーブ派を国教とし、国民が他の宗教を信仰することを禁じており、サウジアラビア国籍の取得の際にもイスラム教への改宗が義務付けられている。イスラム国家に限らず、...