2018.11.20 00:53『レ・ミゼラブル』⑨ジャン・ヴァルジャンとコゼット3 コゼットがマリユスへの想いを知ったのは偶然だった。コゼットの吸い取り紙帳(マリユスへの手紙の文字を写しとっていた)が鏡に写っているのを目にしたのだ。「おなつかしいあなた、残念なことに!父はすぐ出発したいと申します。今晩はオム=アルメ通り7番地にいます。一週間もすればイギリスに行...
2018.11.19 00:00『レ・ミゼラブル』⑧ジャン・ヴァルジャンとコゼット2 パリに着いたジャン・ヴァルジャンがコゼットと一緒に生活を始めたのはオピタル大通りの「ゴルボー屋敷」。そのあたりは「パリの大通りでありながら、夜は森よりも不気味で昼は墓地よりも陰気な場所だった」が、その屋敷はその陰惨な界隈でもひときわ荒廃の目につく建物だった。それでも、テナルディ...
2018.11.18 03:30『レ・ミゼラブル』⑦ジャン・ヴァルジャンとコゼット1 コゼットが初めてジャン・ヴァルジャンに出会ったのは、水を汲みに行ったモンフェルメイユの夜の森。ジャン・ヴァルジャンは重い水桶を持ってやり、コゼットが欲しがっていた人形を買い与えた。年寄りで、貧しい身なりの、とても寂しい感じがする、やさしいこの男のことをコゼットはどう感じたか?&...
2018.11.17 11:52『レ・ミゼラブル』⑥ジャヴェール警部2 1832年6月暴動。6月5日~6日、パリ市民による王政打倒の暴動が起きる。この時、ジャヴェール警部は密偵としてバリケードに潜り込んでいたが見つかって拘束。処刑される予定だった。ところが、バリケードにやってきたジャン・ヴァルジャンによって救われる。「銃で処刑した」と見せかけて釈放...
2018.11.15 01:57『レ・ミゼラブル』⑤ジャヴェール警部1 ジャン・ヴァルジャンを執拗に追い続けるジャヴェール警部。人間的感情のまったくない峻厳冷酷な性格で、法律の権化。教義とするのは秩序のみ。「花崗岩のようなかたい心の人間」、「法律という鋳型できっちりとつくられた懲罰の立像」。ミリエル司教と出会って改心したジャン・ヴァルジャンが、モン...
2018.11.14 00:41『レ・ミゼラブル』④「シャンマチュ事件」 「プチ・ジェルヴェ事件」の後、ジャン・ヴァルジャンはモント・ルイユ・シュルメールヘ行く。マドレーヌと名乗り、黒玉ガラス製造で大儲けし、町全体も潤した。町の福祉に気を配り、私財をなげうって病院と学校と保育園をつくった。やがて市長にも任命される。彼は町中の尊敬を集めていたが、彼に不...
2018.11.13 01:15『レ・ミゼラブル』③「プチ・ジェルヴェ事件」 『レ・ミゼラブル』の長大なストーリーは、ジャン・ヴァルジャンを執拗に追い続けるジャヴェール警部とそれからのジャン・ヴァルジャンの逃走によって展開していくが、その原因となったのは「プチ・ジェルヴェ事件」。ジャン・ヴァルジャンがミリエル司教と出会った直後のできごと。 ミリエル司教と...
2018.11.12 00:44『レ・ミゼラブル』②ミリエル司教2 ミリエル司教に出会ってからのジャン・ヴァルジャンにとって、どれほど彼の存在が大きかったかは死の間際の描写からも知ることができる。「門番のばあさんがあがってきて、細目にあけたドアのすきまからのぞいていた。医者はばあさんをたち去らせたが、この信心ぶかい老女がその場を離れる前に、死に...
2018.11.11 00:27『レ・ミゼラブル』①ミリエル司教1 『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・バルジャン。27歳の時、飢えた姉の子どもたちのために一片のパンを盗んだために19年もの間、徒刑場に入れられていた。パンの窃盗で刑期がそんなに長くなったのは5回脱獄未遂を繰り返したから。1815年(ナポレオンがワーテルローの戦いに敗れ、セント・ヘ...