ヨーロッパの夏空の下9 ウィーン美術史美術館①
ヨーロッパ史を勉強している人間にとって、ここは情報の宝庫。その中の一枚を観るためにだけでも行く価値のある作品が、何十点もある。ちなみに、今回事前にリストアップし画像を入手しておいた作品は118点。宗教画、神話画、歴史画、肖像画(歴史上の人物)。特に観たかったのは、コレッジョ「ユピテルとイオ」、ラファエッロ「草原の聖母」、ティツィアーノ「ダナエ」、アルブレヒト・アルトドルファー「ロトと娘たち」、ピーテル・ブリューゲル「雪中の狩人」、マールテン・ファン・ヘームスケルク「神々に笑われるヴィーナスとマルス」、バルトメウス・スプランヘル「ヘルマプロディトスとサルマキス」、ルーベンス 「メドゥーサの首」、グイド・カニャッチ「クレオパトラの死(瀕死のクレオパトラ)」、ジョゼフ・ハインツ・ザ・エルダー「ルドルフ2世像」など。
神話画、宗教画であれば、そのテーマをギリシア神話、「聖書」のどのようなストーリーかを事前に調べておく。そのテーマを扱った代表的絵画についても知っておく。その上で、目の前の作品をじっくり鑑賞する。画家はそのテーマをどう理解し、どう描こうとしたのか。どこにその作品の独自性があるのか。近づいて見たり、少し距離を置いて見たり。こんな鑑賞ができるのもウィーン美術史美術館ならでは。各部屋の中央にはゆったり座って鑑賞できるソファーがあるのもうれしい。静かな鑑賞を打ち破る中国人の団体客がいないのもうれしい(いずれやってくるだろうが)。今回、古代エジプト・古代ギリシア・古代ローマの彫刻、貨幣コレクションは全く見られなかった。3時間半でじっくり見たのは絵画作品の半分。事前に調べておいた作品以外でも刺激を受けた作品が多数あったから。残り半分はもう頭が働かず、ひと通り眺めた程度。来年にでもじっくり観よう。
(ピーテル・ブリューゲル「雪中の狩人」)南ヨーロッパにはない光景
(ラファエッロ「草原の聖母」 この絵を見ると美智子上皇后が浮かぶ
(マールテン・ファン・ヘームスケルク「神々に笑われるヴィーナスとマルス」)
絵としては稚拙だが、ストーリーを知っていると楽しめる
(バルトメウス・スプランヘル「ヘルマプロディトスとサルマキス」)
女性の妖しさ、美しさ、恐ろしさ、不気味さがこの後のストーリー展開を知っていると味わえる
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