「イタリアのビーチリゾート」
最近は映画を見ることがすっかり減ったが、数年前まではフランス映画を好んでよく観ていた。ヴァカンスを舞台にした映画も、今すぐに思い出すものだけでもエリック・ロメール『海辺のポーリーヌ』(Pauline à la plage 1983年)、同『夏物語』(Conte d'été 1996年)、イヴ・ロベール『プロヴァンス物語 マルセルの夏』(La Gloire de mon Père 1990年) 、ジャン・ベッケル『クリクリのいた夏』(Les Enfants du marais 1999年)など数多くある。
ただ、実際に自分自身が夏の海を過ごしたヨーロッパのビーチリゾートというと圧倒的にイタリア。ヴェネツィア・リド島、サルデーニャ島、イスキア島、シチリア島やティレニア海沿岸(サンタマルゲリータ、フィアスケリーノ、マイオーリ、サン・フェリーチェ・チルチェオ)、アドリア海沿岸(カットーリカ、ジュリアノーヴァ、ガルガーノ岬)などに約1週間滞在した。楽しみは、ビーチ、食事以上にイタリア人との出会い。サンタ・マルゲリータに滞在していた時、知り合いになったシチリア人から言われた。「日本は海に囲まれているから、海水浴場なんかいっぱいあるだろうにどうしてわざわざイタリアのビーチに来るんだ?」。「イタリアが好きだから」って答えたら「おまえはイタリアが好きなのか、それともイタリア人が好きなのか」って聞かれたから「Certo! Italiani!(もちろん、イタリア人)」て答えたら満面の笑みを浮かべて「それならイタリアに住んだらどうだ」って。イタリアにいずれ住みたいって考えた時期もあったけど、フランスも好きだし、江戸時代の浮世絵、幕末日本も興味大、ってわけで結局イタリア移住は実現しないままになっている。おそらく一貫した興味は日本であり日本人であり自分自身なんだろう。興味・関心の対象はいろいろだけど、それらを通して日本、日本人、自分を知りたい気持ちが強いのだと思う。
ところで、今回訪れているイタリアのビーチはリミニ。昨日到着。「イタリアのマイアミ」とも呼ばれているヨーロッパ屈指のビーチリゾート地で、映画監督フェデリコ・フェリーニの生まれた町でもある。これまでこんな大きなビーチリゾートはむしろ避けてきたが、今回はローマから行きやすいビーチということと、ユリウス・カエサルとかかわりの深い街ということで選んだ。食事も朝食のみで昼食、夕食はついていない。このスタイルも初めて。昨日はホテルに2時過ぎに到着。昼食は3時半。海沿いのレストランで、タリアテッレのラグーソース。全く海らしくないけど、最南端とはいえエミリア・ロマーニャ州なので。トマトソースがしっかり効いていて、肉はたっぷりだけど全く重くない。シンプルだけどあきないおいしさ。それを口にしただけでイタリアが感じられる料理。自由にかけられるパルミジャーノをたっぷりかけ、日本の倍ぐらいありそうな量を平らげた。海風が時差ボケでぼーっとした頭と体に心地いい。この街には5日間滞在する。このあとマントヴァ2泊、ローマ7泊の予定。ここでは、のんびりこれまでのイタリアの旅を振り返りたい。特にイタリアの海でイタリア人から教えられたことを。
(ホテルの部屋から眺めたリミニのビーチ 日中)
(ホテルの部屋から眺めたリミニのビーチ 日の出)
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