「さくらを愛でる」①
桜の季節がやって来た。今日乗ったタクシーの運転手さんが言っていた。「ほんと、桜の咲き方って潔いですよね」。確かにそう思う。今年のように急に暖かな日が続くと、あっという間に満開になり、それまでちょっとやそっとの強風でも動じなかったのに、数日するとかすかな風でもパーッと散ってしまう。桜の魅力を感じるのは今や日本人だけではない。有名なところでは、ワシントンD.Cのポトマック河畔タイダル・ベイスン。1912年に日本が寄贈した桜がこの時期見事な花を咲かせる。イタリアでも、エウル(ローマ)の桜が有名で、毎年Parco Lago dell’EURで桜祭り「花見」が開催される。ここの桜は、1950年に東京都が寄贈した。しかし、どちらの桜の花見も日本のそれとは決定的に違っていることがある。それは、桜の下での飲食があるかないか。欧米では、花見はあくまで花を愛でることであって、集団で桜の下で飲食することはないようだ。個人的には、梅同様静かに愛でるのが好みだが。日本でも、江戸時代の文化文政頃までは一本桜を賞翫する花見が中心だったが、桜の名所(江戸では上野、向島、飛鳥山、御殿山)の誕生によって集団での花見が主流になっていった。
(ワシントンD.Cポトマック河畔タイダル・ベイスン)
(ワシントンD.C 「ナショナル・モール」)
(エウルのParco Lago dell’EURの桜)
(上野の花見)桜の下で飲食
(広重「東都上野花見之図 清水堂」)
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