クリスマスの喜びとマリアの悲しみ

 クリスマスが近づき、街はイルミネーションで飾りつけられ、クリスマスソングが流れ、華やいだ気分に満ち溢れる。ところで、そもそもクリスマスはなぜおめでたいのか?それは、救い主がお生まれになり、人々の罪をあがなってくださるから。キリスト教徒にとって、イエスは「救世主」(「メシア」【ヘブライ語】=「クリストス」【ギリシア語】→「キリスト」)。しかし、その誕生は、母マリアにとっては喜びだけではなかった。わが子イエスは、やがて人類の罪を背負って十字架に架けられる運命にあったのだから。神殿奉献の場で、幼子イエスを抱いた預言者シメオンはマリアにこう語る。 「 御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。-あなた自身も剣で心を刺し貫かれます-多くの人の心にある思いが あらわにされるためです。」 (ルカによる福音書 2章34 - 35節) 「聖母マリアの七つの悲しみ」(イエスの母であることによってマリアが受けた7つの悲しみ)の筆頭がこの「シメオンの預言」はある。せっかくのクリスマスシーズン。キリスト教世界に少しだけでも思いをはせたい。 ところで、イエスを救世主と認めないユダヤ人は今も救世主を待ち続けている。彼らにとっては、クリスマスはおめでたい特別な日なんかではない。だから、ユダヤ人の多いニューヨークでは、年の瀬のカード交換に「Merry Christmas」は避け、「Happy Holidays」と書く人が多い。異教徒へのこう言った配慮が薄れてきている現況を危惧する。

「マーテル・ドロローサ」聖十字架教会(スペイン サラマンカ)

   「七本の剣」は「聖母の七つの悲しみ」 を表わす

コレッジョ「羊飼いの礼拝(ラ・ノッテ)」ドレスデン国立絵画館

ボッティチェッリ「神秘の降誕」ロンドン・ナショナルギャラリー

   救い主イエスの誕生を祝って抱き合う天使たち。イエス降誕の喜びが画面にあふれている。

ピエロ・デラ・フランチェスカ「生誕賛美」ロンドン・ナショナルギャラリー

   ピエロ・デラ・フランチェスカらしいイエス誕生の喜びの静謐な表現

ジョヴァンニ・ベッリーニ「キリストの神殿奉献」ヴェネツィア クエリーニ・スタンパリア 美術館

   シメオンの恐ろしい預言 「あなた自身も剣で心を刺し貫かれます」

 


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