「退職へのカウントダウン」①

 今日は、世田谷生涯大学同窓会の講演会で「勝海舟と江戸城無血開城」について話した。これまでも西郷、勝の魅力は十分すぎるくらい感じていたが、今回の講演会の準備をする中で、引かれる人物リストに山岡鉄舟、高橋泥舟が新たに加わった(勝海舟も含め「幕末の三舟」と呼ばれる)。高杉晋作や坂本龍馬ともまた違ったタイプだが実に魅力的。なぜあの時代、体制側にも、反体制側にも綺羅星の如く魅力溢れる人材にあふれていたのだろう。逆に、今の時代なぜこうも個性乏しい人間が多くなってしまったのだろう。江戸時代の日本、身分制度のしがらみに縛り付けられていたが、いまよりずっと自由があったように感じる。価値観が一元的だったように言われるが、今よりずっと多様だったように感じる。今の世の中は、一見自由で選択肢が多様なように見えて、画一的な人間が多くなっているように思う。情報はあふれているが、決して多様とは言えない。面白くない、人間が。話していて個性が乏しい。同じ内容でも、そいつらしい表現の仕方があるはずだが、それを許さない風潮が個性を抹殺しているのだろうか。

 退職まで、勤務するのは9日。大晦日の23時59分51秒。カウとダウンが始まった。ただ、あまり仕事をやめるという感覚はない。より、自分が必要と感じる仕事に集中できるようになるという感覚。新たな仕事のステージの開始。

(伊原宇三郎「江戸城明渡」)江戸城明渡談判前の勝海舟と西郷隆盛

(高橋泥舟)


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