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2020.10.03 06:47

「長崎とキリスト教」10 「小ローマ長崎」⑤秀吉とキリシタン(2)「サン・フェリペ号事件」

 日本でのキリスト教布教は、ザビエルが来日した1549年以降40年以上にもわたって、イエズス会が独占していた。1585年、教皇グレゴリウス13世は日本での布教を、ポルトガルの布教保護権下にあるイエズス会のみに許し、他の修道会の布教を禁じた。そのイエズス会は、1587年の秀吉による...

2020.10.02 01:26

「長崎とキリスト教」9 「小ローマ長崎」④秀吉とキリシタン(1)「バテレン追放令」

 天正遣欧使節が帰国したのは1590年7月。キリスト教に好意的だった織田信長は、使節の長崎出発(1582年2月)直後に「本能寺の変」(1582年6月)で死亡。使節を派遣したキリシタン大名のうち大友宗麟、大村純忠も、使節が帰国途中の1587年6月に死去。そして使節がマカオにいた15...

2020.10.01 03:41

「長崎とキリスト教」8 「小ローマ長崎」③天正遣欧使節

 大村純忠が、周辺の敵からの攻撃をかわすために長崎6町と茂木をイエズス会に寄進(1580年)した頃、日本イエズス会は本部を長崎に置いた。また、1584年には同じくキリシタン大名の有馬晴信も自分の領地の浦上を日本イエズス会に寄進。しかし、その3年後の1587年、豊臣秀吉が伴天連追放...

2020.09.30 01:53

「長崎とキリスト教」7 「小ローマ長崎」②信長とイエズス会

 なんと純忠は、イエズス会巡察師ヴァリニャーノに、長崎と茂木の寄進を申し入れたのだ(1579年)。ヴァリニャーノは喜んで受け入れたかというとそうではない。イエズス会では知行地を受けることは禁止されていた。なにより宣教師は日本に領土的野心を持っているという疑いが一層深まることを懸念...

2020.09.29 05:55

「長崎とキリスト教」6 「小ローマ長崎」①

 トーレスの命を受けたフィゲイレドらは長崎港の水深などを調査し、港に適していることを発見。彼らは領主である純忠と協定を結び、ここに長崎の港が開港することになる(1570年)。 開港以前、長崎の中心は長崎氏の館があった桜馬場や夫婦川、片淵の一帯で海は現在の勝山町付近までせまっていた...

2020.09.28 00:54

「長崎とキリスト教」5 ザビエル離日

 豊後国の領主大友宗麟([そうりん]=義鎮[よししげ])は、領内での布教を許可した。宗麟は早くからキリスト教に関心を寄せていたが、側室の問題などもあって受洗はできなかった(受洗したのはかなり後の1587年)。ザビエルは豊後滞在2カ月にして、1551年11月に日本を発った。ザビエル...

2020.09.27 03:15

「長崎とキリスト教」4 ザビエルと平戸・京都・山口

 1550年9月、ザビエルはアンジローを鹿児島に残して平戸に移る。「昨年末、鹿児島の領主が私たちの宗教の発展に反対していることがわかったので、私たちは別の場所へ移ることに決めました。」(1551年7月某日付ザビエルのゴアのイエズス会宛書簡) 鹿児島で入信者が増えてくるようになると...

2020.09.26 00:02

「長崎とキリスト教」3 ザビエルと鹿児島

 鹿児島に着いたザビエルは、まずアンジローの家の世話になる。これまで,宣教の過程で様々な迫害にも遭ったザビエルだったが,鹿児島では 温かい歓迎を受ける。「私たちの親友になったパウロ・デ・サンタ・フェ(注:アンジロー=ヤジローのこと。彼は教理の日本語訳などザビエルの活動を支えた)の...

2020.09.25 01:54

「長崎とキリスト教」2 ザビエル来日②

 南インドで3年、マラッカやマルク諸島(モルッカ諸島=香料諸島)などの東南アジアで3年の布教活動を行ったザビエルは、思うような成果をあげることができず、ある種の閉塞状況に陥り辛い日々を送っていた。その境遇を変えたのが日本人アンジローとのマラッカでの出会いである。ザビエルはアンジロ...

2020.09.24 02:48

「長崎とキリシタン」1 ザビエル来日①

 1549年、フランシスコ・ザビエルが来日し、日本にキリスト教が伝来した。これは中学校の教科書にも載っている史実。では、なぜザビエルは日本にやって来たのか?もちろん、キリスト教の布教のためだが、そもそもザビエルはポルトガル王ジョアン3世の命により1541年にリスボンを出発してイン...

2020.09.22 22:52

「万の心を持つ男」シェイクスピア17『ヘンリー四世』⑥フォルスタッフ(4)

 フォルスタッフの名セリフの中で、酒の効用について述べたものがある。自分の思いにピッタリのセリフだ。ただし「シェリー」を「ワイン」と読み替えてのことだが。「いいシェリーには二重の効果がある。まず、頭にのぼってって、そこに溜まってる愚かでどんよりした毒気を一掃してくれる。でもって頭...

2020.09.21 22:48

「万の心を持つ男」シェイクスピア16『ヘンリー四世』⑤フォルスタッフ(3)

 小田島雄志はフォルスタッフのことを端的にこう評している。「リアリズムとユーモアをこねて巨大な肉団子にしたような男である。ここで言うリアリズムとは、「人間ってしょせんこんなものさ」と虚飾をはぎ取って見る目のことであり、ユーモアとは、「人生ってそれでいいじゃないか」と許容する楽天的...

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